エンジンの種類【車・バイク】

エンジンの種類は大きく分けて、「レシプロエンジン」、「ロータリーエンジン」、「ハイブリッドエンジン」に分類出来ます。あと「スターリングエンジン」というのもありますが、実在しません。

※エンジンについての基本的な説明は下記ページを参照して下さい。

エンジンの仕組みついて

目次

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レシプロエンジン

ピストンからの「直進運動」を「回転運動」に変えて動力を得るタイプのエンジンの事を「レシプロエンジン」と呼びます。今現在の一般的なバイク・車は全ほぼこのタイプです。

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出典:内燃機関 – Wikipedia(4st)

また、レシプロエンジンは、ストロークの違いによって更に「4st」と「2st」に分類することができます。排ガス規制が厳しい現在では、ほとんどのバイクが4stとなっています。

2ストロークと4ストロークの違い(4st,2st)

ロータリーエンジン

このエンジンは、爆発によるエネルギーを直接「回転運動」に変えて取り出します。レシプロエンジンで言う所の「ピストン」が「ローター」という部品に変わります。(↓gifで言うとAと書かれているのがローター)

一応レシプロエンジンの発展型という形。が、まだまだ問題が山積しています。
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このエンジンを開発・製作しているのは現在(2015年)マツダのみです。

レシプロエンジンと比べて下記の様な特徴があります。

  • 軽量・コンパクト(部品数が少ないため)
  • 低騒音・低振動(ピストンが無い為)
  • 高出力(ピストン・コンロッド等、仲介する部品が無い為、動力を効率よく伝えれる為)
  • 燃費が悪い(燃焼室がデカい為)
  • 低速での加速が弱い(圧縮比が低い為)※圧縮比:燃焼室の体積が最も大きくなる時と最も小さくなる時の比率の事。これが大きい程燃焼効率は上がる。

仕組み上、「吸気・圧縮・爆発・排気」を1つの燃焼室で行う為、燃費・排ガス規制ユーロ6)の面から、レシプロエンジンと比べてどうしても劣ります。

また最近では、排ガス規制がクリア出来なかった為、世界で最後のロータリエンジンを搭載した「RX-8」が2013年に販売を終了してしまいました。今現在ロータリエンジンを搭載した車は存在しません。(2015年現在)

燃料に「水素」を使ったロータリーエンジン

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出典:水素ロータリーエンジン – Wikipedia

「水素」を燃料にして走る為、究極的に省エネ・無公害の最強のエンジン。なお、課題は山積している。(↓以下課題)

課題

  • インフラの問題
    ガソスタの様な水素を補給できる設備を作らないといけません。国から支援を受けているEV充電スタンドですら全然普及していないのに、「水素」となったら私達が生きている間には無理かもしれません。
  • 水素自体の問題
    まず、水素自体かなり危険です。(どんな濃度でも爆発するし、爆発しても炎は透明だし、ちょっとのエネルギーで燃えるし、最高に危ない)
    また、水素を使用することによるエンジンの劣化の問題もあります。(水素脆化とか)
  • 供給量の問題
    元々水素は、石油の精製過程の副産物として沢山製造されていたのですが、新しい技術革新により水素ガスが発生しない精製設備へと取り替えが行われています。
    このため、燃料の供給元が石油に比べてかなり乏しいという問題があります。
  • エネルギー効率の問題
    上記のように、水素は石油精製の副産物として取り出す必要がありますが、「副産物として取り出すのに必要なエネルギー>水素を使うことによる熱効率」なので、水素自体の効率は良いけど、作るのに効率が悪いからどうなの??みたいな課題があります。

ただ、これらさえクリア出来れば、車業界のパラダイムシフトが起こる事はまず間違いありません。

水素自動車でのエンジンとして今後期待されているエンジンです。(ロータリエンジンなので開発はマツダです)

ハイブリッドエンジン

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photo by:Toyota UK

本来、エンジンというものは低速時に大きな出力を出すのが苦手です。

そこで、発進時・低速走行時は「電気モーター」で走り、そこそこスピードが出てきたら「エンジン」にて走る事が出来るようにしたのが「ハイブリッドエンジン」です。

さらに、「エンジン」にて走行中は、エンジンの回転を利用して「電気モーター」を回すのに使われている「バッテリ」を充電します。

他のエンジンと比較して以下の特徴が有ります

  • 本体価格がめちゃくちゃ高い
    • エコカー減税制度を利用するとかなり免税出来るので、安く出来ますがそれでも高いです
  • 燃費がめちゃくちゃ良い
    • 車のくせに原付並みの燃費を誇ります。原付の立つ瀬が有りません。電気モーター・エンジンのそれぞれの良い所をうまく補い合う事で理想的な駆動システムになっています。
      ※ただ、エアコン等で「電気」を使用しているとエンジンを稼動せざる得ない状況になる事がある為、そうなると燃費はかなり落ちます。あと高速運転時はエンジンをフル稼働させる事になりますので燃費は落ちます。
  • 排ガスが少ない
    • 電気モーター駆動が多いため、排ガスは必然的に少なくなります。
  • 走行音が静か
    • 発進時・低速時は電気モーター駆動の為、ほぼ無音に近いです。(無音すぎて歩行者が気づかないレベルなので短所でもある)

環境にも財布にも優しいと人気のエンジンです。(財布にも優しいのはエコカー減税がある為だけど)

スターリングエンジン

”理論上”、最高効率を誇るエンジン。理論上なので、この構造で作った実際のエンジンは実在しない。ちなみにこのエンジンの発明は「内燃機関」の発明より早かったのですが、技術が追い付かず実現できていませんでした。

Alpha_Stirling
出典:スターリングエンジン – Wikipedia

流れ的には以下のような流れです。

  1. 加熱シリンダー(赤の部分)をあっためる
  2. すると体積が膨張するので、加熱シリンダー内のピストンが左に押し出される
    押し出す際に、冷却シリンダー(青の分)内の冷気も吸い込む→冷気が来るので体積が収縮する
  3. 加熱シリンダー側のシリンダーが左に押し出されると、冷却シリンダー(青の分)内のピストンが上に引っ張られる
    上に引っ張られる際に、加熱シリンダー(青の分)内の熱気も吸い込む→熱気が来るのでまた膨張する
説明がヘタで申し訳ありませんが、要は、「内燃機関」(レシプロやロータリーみたいにシリンダー内で燃焼させる機関)ではなく、「外燃機関」(シリンダーの外から暖めたり、冷やしたりする)の仕組みを使うことで、理論効率を最大まで上げる事が出来るということです。
この、「気体を暖めたり、冷やしたりして、運動エネルギーを得る」仕組みのことを「カルノーサイクル」と言います。

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