エンジンは、気筒数の違いで、「単気筒」・「2気筒」・「3気筒」(珍しい)「4気筒」に分ける事が出来ます。
それぞれの違いについて解説します。
「気筒数」って何?
photo by:What’s The Best “How Cars Work” Animated GIF?
気筒数とは、「シリンダーの数」の事を言います。「シリンダー」とはエンジン内で燃料を爆発させる為の部品です。(「シリンダー」が何の事かよく分からない人はこのページを見てエンジンについて勉強して下さい。)
気筒数を増やす意味って何なの?
まず、エンジンの仕組みを分かってもらう必要が有るのですが、エンジン内では動力を得るのに、シリンダー内で燃料(ガソリン・軽油とか)を爆発させてシリンダーを経由して動力を伝えています。(↓の様なイメージ)
「エンジンパワー(加速力・トルクがある)を上げたい!」ってなった時には、「エンジン内で大きな爆発」を起こす必要があります。
「エンジン内で大きな爆発」を起こす必要が有ると言う事は、「容量の大きなシリンダー・ピストン」が必要になってきます。(爆発させる空間を広くしたいので)
しかし、回転数(部品を大きくし過ぎると高速回転出来なくなる=スピードが出なくなる)や熱力学(1つのシリンダで大きな爆発を起こし続けると効率が悪い)、強度(大きな爆発を起こす=その爆発に耐えうる部品を使用しなければならない=コストが上がる)など、色々な問題があるため、「シリンダーやピストンの大きさには限界がある」のです。
そこで、「1つのシリンダーに限界があるなら、シリンダーの数を増やして補おうぜ!」という考えに至ったのがそもそもの始まりです。(ちなみに具体的なシリンダー1つ当たりの限界としては800ccほどです)
気筒数を増やす事によるメリット・デメリット
気筒数を増やすと1つ当たりの気筒数の排気量が下がります。
簡単に言うと「1つで100パワーか、2つで100パワーか」の違いです。
1つ当たりのパワーが雑魚いので、発進時のパワー(加速・トルク)が落ちます。
その代わり、数が増える事で爆発回数は2倍になります。爆発回数が2倍になるということは回転数も単純に2倍になります。回転数が2倍になるという事は、最高速度もその分上がります。(全て単純に2倍になるというわけではない)
気筒数による違い
単気筒
「単気筒」は、シリンダーが1つしかないエンジンの事を言います。特徴としては以下の様なものが挙げられます。
- 構造が簡単なのでメンテが楽
- 自分でばらしてメンテできるくらい簡単な構造。
- 燃費が良い
- 30km/h以上とか結構ザラである。
- 部品が少なくて済むので、小型化が可能
- 小型化できるのでスクーターに良く使われてる。
- 逆にエンジンが軽すぎるので安定性(ふらつきなど)に欠ける。
- 小型化できるのでスクーターに良く使われてる。
- 値段(本体代・メンテ代)が安い
- 構造が簡単な為、作りやすいしメンテしやすい。
- 低回転に強い
- 発進時の強烈なトルクや、強烈なエンジンブレーキなど、街乗りに向いている。
- エンジン音がウルサイ
- 1つのシリンダで高容量の爆発を起こす為、当然音はデカくなります。
- スピード(最大速度)が遅い
- シリンダが1つだと、どうしても回転数に限界があります。
- 振動がデカい
- シリンダが1つなので、爆発がデカい為、振動はどうしてもデカくなる。
- ただ、「この振動が好き」、という人もいる。
- シリンダが1つなので、爆発がデカい為、振動はどうしてもデカくなる。
主な単気筒バイク一覧
個人的には、400cc以上乗るんだったら2気筒以上だろ、って思います。「400ccもあるくせに遅いしエンジン音ウルサイし車検あるし本体代高いし重いし何の為に存在してるのお前(笑)」って思います。(乗ってる人いたらスミマセン…)
あと、ネタとしてですが、2000cc単気筒バイクなんてものが存在するらしいです(笑)
単気筒エンジンの音
聞いてもらって分かる通り、「ブロロローーン!!」という低音の効いた特徴的なエンジン音です。この音が好きって人もいれば、嫌いって人もいます。ちなみに私は大好きです。アイドリング時の音がたまらん(;´Д`)ハアハア
4気筒
「4気筒」は、シリンダーが4つあるエンジンの事を言います。特徴としては以下の様なものが挙げられます。(基本的に単気筒と逆の特徴です)
- 値段が高い(メンテ代・本体代)
- 構造が複雑な為、沢山の部品を使用する為、値段も高いしメンテもしづらい(単純にシリンダが単気筒より4倍多いので、4倍ほどメンテ代がかかる)
- 燃費が悪い
- 低回転が弱い
- パワーがシリンダ4つに分割されますので、発進時の加速などはどうしても弱くなります。なので発進時などは気を遣わないといけませんし、常にエンジンを回していないと十分なパワーが出ません。
- 最高速度が速い
- 具体的に250ccクラスのバイクを例に出してみると、VTR250(2気筒)は150km/hほどで、ホーネット250(4気筒)は170km/hとかそういうレベルです。
主な4気筒バイク一覧
ホーネット、バリオスは250ccのくせに4気筒というぶっ飛んでるバイクです。値段はかけたくないけど、「4気筒のエンジン音で高速とかぶっ放したい!という人にオススメ。(他にもジェイド、バンディット250)
4気筒エンジンの音
「シュォーーーーーン!!!!シュオーーーンシュオーーーン!!!!」みたいな高い音が特徴のエンジン音です。個人的にこの音は嫌い。
2気筒
「2気筒」は、シリンダーが2つあるエンジンの事を言います。特徴としては、「単気筒」と「4気筒」の中間的ポジションです。値段もそこそこで、低速も高速もまぁまぁな感じ。(なので特徴の詳しい紹介は割愛します)
主な2気筒バイク一覧
街乗りでもそれなりに快適だし、高速でもパワー不足を感じる事はありません。でも悪く言えば中途半端でもあります。
2気筒エンジンの音
「ブローーーンブローン!!!!」みたいな中音域が強いエンジン音が特徴。一番音量的には静かな気がします。またまた個人的にですが、あまり好きな音ではありません。。
強引にまとめ
- 最高速度
単気筒<2気筒<4気筒 - トルク
4気筒<2気筒<単気筒 - 価格
単気筒<2気筒<4気筒 - 金額(本体価格・メンテ代)
単気筒<2気筒<4気筒
個人的には、「125cc以下は単気筒、250cc以下は2気筒、400cc以上は4気筒」って感じが理想だよなーとか思ったり。(個人的には、です)
また、「シリンダーの数」だけではなく、「シリンダーの配置の違い」によってもエンジン性能は大きく変わってきます。(詳しくは以下の記事を参考にして下さい)
→エンジン構造の違い【直列/V型/水平対向】
さいごに
バイクにはそれぞれにコンセプトがあって、ツーリング向けとかサーキット向けとか様々な用途別で作られています。
なので、「単気筒は遅いからダメ!とか、4気筒は速いから良い!」というわけでは決して有りません。自分の目的・好みに合ったバイクを選ぶのが一番です。「スピード=正義」なんて思っている人がいますが、そういう人にはそう思わせておけばいいのです。自分は自分です。
自分が良いと思ったバイクが、自分にとって最良なバイクなのです。
ただ、決める際には後悔がない様に、ネットでよく調べるなり、友達に訊くなりして、自分で吟味してから選びましょう。
コメント
VTR250の最高速が155km/h程度
Hornetは170km/h程度ですよ
もちろん、両方ともノーマルでです
250ccマルチで270km/hも出たら
1300ccマルチの隼は何百km/h出るのでしょうね
コメントありがとうございます!
明らかな間違いですので修正させて頂きました!
間違った情報をのせてしまって申し訳ございません。。
>発進時の加速などはどうしても弱くなります。
そんなこと無いけどねエンジン機構の違いなど一概には言えないが
一般的には単気筒は低回転から粘りのあるトルクを引き出せるが
多気筒はトルクを回転数で補っているしレスポンスも良いからね
単気筒よりも早くパワーバンドに持っていくことができる
250多気筒などのバイクの場合クラッチワークが下手糞だと上手く加速できないだけで
発信時の加速が弱いわけではない基本的には最大トルクでも多気筒のほうが有利
たださぁブンブン吹かしながら素早くクラッチ切り替えてスタートダッシュって
大人気ない感じがするだろ
だからやらないだけでできないわけじゃない
おっしゃるとおりです、250CC 4気筒のスタートダッシュは、回し気味でクラッチを上手く扱えば速いですよ、毎回はやらないけど、たまにやる。
何この単気筒乗りが書いたような記事