このページでいう「構造」とは「シリンダーの位置の違い」の事を言います。エンジンはシリンダの位置の違いによって「直列型エンジン」「V型エンジン」「水平対向エンジン」と大きく3種類に分類する事ができます。
エンジンの仕組みについては以下のページを参照して下さい
→エンジンの仕組みについて
シリンダー位置による構造の違い
いきなりですが、125ccスクーターの代表である「単気筒」のエンジンは、その名の通りシリンダが1つしかないため、以下のどれにも該当しません。(いずれも2つ以上の気筒がある場合の位置関係に対しての名前なので、1つでは関係がない)
アドレスv125(単気筒)のスペック表などを見てもらえばわかりますが、シリンダ配置に関する表記は何もされていません。
このページにあるような「2気筒」以上のエンジンだと、「V型2気筒」のような感じで、そのエンジンのシリンダ配置はどうなっているのかが載っています。
直列型エンジン
photo by:Basic Engine Parts – HowStuffWorks
↑gif動画のように、全てのシリンダが同じ方向に並べられている形のエンジンを「直列型エンジン」といいます。(ちなみにこのgifではシリンダーが4つあるので「4気筒」です)
直列型のエンジンには以下の様な特徴があります。
- 構造が簡単な為、メンテしやすい
- 気筒数が多くなると全長が長くなるため、エンジン自体がデカくなる
- 全長が長くなるので「クランクシャフト」の長さも長くなる→長いのでねじり振動的なことが起こる
- 「直列6気筒」に限り、もっとも騒音・振動が少ない
- あのBMWもこの形式を採用し続けていて、この配置が最も低速から粘り強いトルクが出せると言われています。
125ccのスクーターなんかはほぼ全部「単気筒」ですが、これに当てはまります。(シリンダーが1つしかないので、V型エンジンにも捉えることもできるけど)
また、「4気筒」エンジンのほとんどは直列型エンジンになります。
「直列」と「並列」の違い
バイクメーカーや雑誌により、表記に違いがあります。(あるメーカーHPでは「並列4気筒」って書かれてるのに、ある雑誌では「直列4気筒」って書かれてる場合とか)
これの違いとしては、「バイクの進行方向に対してクランクシャフトを直交に搭載しているのが並列、並行に搭載しているのが直列」という違いがあります。
まぁ、直行にせよ並行にせよ、シリンダは直列に配置されているので呼び名はどっちでもいいっちゃどっちでもいいですね。
V型エンジン
photo by:Basic Engine Parts – HowStuffWorks
↑gif動画のように、それぞれのシリンダが「Vの字」のようになっているエンジンを「V型エンジン」と言います。V型で2気筒のエンジンに限り「Vツイン」と呼ばれる事が多い。
V型のエンジンには以下の様な特徴あります。
- 直列と比べて、気筒数が増えても全長が長くなりにくい(エンジン自体を小さくできる)
- 全長が短めに出きるのでねじり振動的なことが起こりにくい
- 構造が複雑になるため、メンテ等が難しい
基本的に「2気筒」のエンジンはほとんどV型エンジンになります。
水平対向エンジン
photo by:Basic Engine Parts – HowStuffWorks
↑gif動画のように、シリンダーが「水平」になっているエンジンを「水平対向エンジン」と言います。
水平対向エンジンには以下の様な特徴あります。
- 振動が少ない(ゆれが少ない)
- 車体の重心を低く出来る
- 安定した走りが出来る
- コスト高
日本メーカーでこのエンジンを製造しているのは「スバル」のみです。(海外ではポルシェ等)
このシリンダの動きが「ボクサーがパンチを打ち合うような様子」に似ている事から「ボクサーエンジン」とも言われています。(そのエンジン音を「ボクサーサウンド」とも言ったりします)
まとめ
自分が乗ろうとしてるバイク・車がどういうシリンダ配置になっているのか、またその配置だとどういうメリット・デメリットがあるのかを理解できるようにしておくことで、車種選定の際の1つの指標として役立つかもしれません。(まぁそんな重要な要素でもないけど)